#10 お花を長持ちさせるためには?水切り、水揚げの方法
せっかくお花があったら、できるだけ長持ちさせたいですよね。
今日はお花を長持ちさせる方法をお伝えします♪
夏は暑さで、本当に花もちが悪かったですよね。
仕入でも、夏のレッスン花材は、少しでも花もちの良いものを、と選んで下さっていますが、すべての花材がそうというわけにはいきません。
そんな中、強いお花愛のある皆様は、もたせる為に色々苦労されたと思います。
ご自分の移動に合わせてエアコンのついている
お部屋にアレンジを連れて行くという方もいらっしゃいました。^o^
日中はリビングに、
お出かけ中は少しでも涼しい玄関に、
寝る時は寝室に、
という具合に。
もはやペットですね♪
小さい作品なら、冷蔵庫に入れてお出かけされる方もいるそうです。
秋になり、涼しくなって、グンと花もちも良くなりました!
夏ほど気を使って管理しなくてもよくなりましたね♪
暑いうちはとにかく雑菌が繁殖しやすい為、
茎と花器を清潔に保ち、水をせっせと替えて、できるだけ涼しい所に飾るしかありません。
水の温度も低い方がいいので、氷や保冷剤を入れたりします。
少しは違うはずですが、なにせすぐ溶けてしまいますよね。
夏のうちは、花瓶のお花なら、1日1回以上水を取り替え、
茎も、花器も洗ってぬめり(=雑菌)を落とします。
こまめに切り戻し(切り口をさらに切ること)をする事も効果的です。
変色している部分は落とし、清潔に保ちましょう。
ぎっしりよりは、風通しよく隙間のある活け方の方がもちます。
●巷にある良く聞く方法
・砂糖を入れる
砂糖は養分という点で、適量なら延命になりますが、夏の暑さでは、菌の栄養ともなってしまうのでそちらの方が心配です。
・10円玉を入れる
これは同イオンの殺菌効果を利用するもので、実験している方もいらっしゃいますが、そこまで顕著な効果はなさそうです。
効果を得るには何枚も入れる必要があるようで、必要枚数もよくわからないので私はやりませんが、気になる方はネットで見てみてください。
・ハイターや洗剤をいれる
これも雑菌の繁殖を抑える目的ですが、量が適切でないと大変お花の負担になるのでおすすめしません。
入れるとしても大量の水に一滴とかの世界ですのでうまく計れないし、、。
植物が嫌がるような気がしてならないんですよね、、。
・市販の栄養剤
市販の栄養剤、切花延命剤は、栄養となる成分とともに、
殺菌効果のある成分を含んでいます。
これも適量があるので、必ず説明書の分量を守りましょう。
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生ける前の準備 ~お花の水切り、水揚げの方法~
買ってきた、(摘んできた)お花の切り口には時間が経つとともに
雑菌が繁殖していきます。
放っておくとその雑菌が導管(茎の中の水や養分の通り道)を詰まらせ、
お花が水を吸い上げにくくなり、花もちが悪くなります。
なので生ける前に水切りをして、よくお水を吸えるよう、切り口を清潔な状態に整えておくことが大切です。
水が下がって、しおれ気味になっているお花も、生ける前にしっかり水揚げをしておくことで、より長持ちさせることができます。
とても大事な基本ですので、正しく行えるようになると、花もちも違ってきます♪
水切り、水揚げ の仕方
・水切り
先ずは水切りです。
バケツや、たらいにたっぷりと水を汲み、その水の中で茎を斜めに切ります。
斜めに切ることで、断面積が大きくなり、水を吸い上げやすくなります。
必ず水の中でハサミやナイフを入れます。(お花は濡らさぬよう)
空気中で切ってしまうと、茎に余計な空気が入り、それが導管の中で気泡となり水の吸い上げを妨げる為です。
また、切れ味の悪いハサミでは導管を潰してしまいますので、よく切れるハサミを使いましょう。
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・水折り
水折りという方法もあります。
水の中で、手で茎を折ります。
茎の繊維を潰すことなく断面積が大きくなるので水が揚がりやすくなります。
カーネーション、菊、トルコキキョウ、りんどう等、手で折れるものに向いています。
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続いて水揚げです。
水揚げには様々な方法があります。
・深水
・浅水
・逆さ水
・湯揚げ
・燃焼法
・割る
・砕く (↑割るの写真)
・皮をむく
・ねかせる
・アルコールに浸ける
・お酢に浸ける
・ミョウバンを付ける
等です。本日は、深水、浅水、逆さ水、ねかせる、についてを、
残りはレッスン時にご紹介します。
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・深水
その名の通り、深い水に浸ける方法です。水圧の高さを利用して水を押し上げるという原理です。
まず花全体を新聞紙で包みます。
そのまま花首付近まで浸かるくらいのたっぷりの水に1時間~半日ほど浸けます。
この時、葉も水に使っているので、葉からの蒸散も防ぐことができます。
深水に向くのは、葉を水に浸けても傷みにくい花材です。(ひまわり、アイリス、アンスリューム、ラナンキュラス等)
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・浅水
浅い水に浸けておく方法です。
水切りをしたら、2~3センチの水を張った所に入れます。
浅水に向くのは、茎が柔らかく、吸水しやすい花。
吸水しすぎるとどんどん咲きすすんでしまうような花です。
(ガーベラ、チューリップ、アネモネ、ヒヤシンス等)
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・逆さ水
花を下に向け、花にはかからないよう気を付けながら葉の裏側から霧吹きで水を吹きかけます。
それから新聞紙に包んで水に浸けます。
葉からの蒸散を防ぐための方法で、葉が繊細で深水ができない花材に適しています。
(スプレーバラ、ソリダスター、コスモス、マトリカリア等)
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ねかせる
グリーンに用います。
新聞紙を湿らせて、葉が折れたりしないように気を付けて
ペッタリと包み30分~1時間ほど横にして寝かせておきます。
レザーファンなど、反り返ってクセがついているような時にも使います。
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今回は水揚げ、水切りの仕方をご紹介しました。
お読み頂き、ありがとうございました♪