#28 生花 グロリオーサのアレンジ
炎の花姿、グロリオーサのアレンジです。
和名は「キツネゆり」で、角度によってはしっかりキツネに見えます!
紅白の色合いでお祝いの席にも適したアレンジの課題でした。
◆皆様の作品
写真を取れず、載せられなかった皆様、すみません。
赤いお花の割合が多く、白はデンファレだけ、ということで、皆様、赤の配置に迷っていらっしゃいました。
いや~、とっても難しかったですよね!迷って当然だと思います。
皆様、しっかりグロリオーサの独特な形を目立たせられていて、素晴らしいと思います。
紅白のお花と葉物の緑だけなので3色しかない、
ということで、いつもより極端に色数が少なかったですね。
赤いお花が多いので、生けていくと、赤が続きすぎる、
と感じたと思います。
ということは、作品の中で変化をつけたい時、マイナスに言えば、
色に頼れない、
ということですよね。
その点、テキストのお手本写真はすごくて、色に頼れないなら花材の形状に頼って、なんとも巧妙に
”赤が多すぎ問題’’
を解決しています。
薔薇や、カーネーションを赤の塊として生けて、その上に少し重なって見えるように赤いグロリオーサを配しています。
普通は重なるように生けたら下のお花が隠れてしまい生かせないので、
あまり重ねませんよね。
でもグロリオーサの場合、花びらに隙間がある、独特の花形なので、重ねても下に生けているお花も十分見せられます。
むしろ、重ねたことで奥行も出て、深みが出ています。
そして、多すぎる赤同士を生かしながらも重ねることで、
赤の面積自体は抑えられて、他とのバランスが良くなっているんですね。
これが花材の特徴を生かすということですね!さすがテキスト。
あとはグリーンの使い方次第でも、赤の面積
の多さが気にならなくなると思います。
とはいえそこがむずかしいんですよね。
やはり、テキストのお手本はグリーンの使い方においても、”赤が多すぎ問題’’を解決しています。
タニワタリの大きな葉っぱを生かして、グリーンの面積をかなり大きめにとっています。
最初の説明で、テキストは、
「グリーンを大きい面積で、塊として扱っている。」
とお伝えしましたが、テキストくらい大胆にグリーンを目立たせてしまえば、
赤に負けない大きな緑の面積が出来、バランスが良くなると思います。
特に、今回のグリーンはタニワタリだったので、毎回言う「花材の持つ特徴を生かす」ということを考えると、
大きなタニワタリがきたな、、、。
ツヤツヤとした豊かな葉っぱをしているな。
葉のふちが波うっているのが特徴だな。
と考えれば、
自然と、そのあたりを強調して見せてみよう、この大きさを生かしてみよう、
というふうに考えられると思います。
正解は一つではないですが、花材をよく観察し、
花材の特徴を生かし切ることをしっかり考えていけば、
自ずと、良いアレンジができるように、考えられた
あっぱれ(笑)なカリキュラムになっています。
今回は、赤が多い、、、困ったな。
と、皆さん思ったと思います。
困ったとき、その原因をマイナスにとらえてしまうと、
引き算方向のアレンジになってしまい、
パワーのない作品になってしまいます。
困った原因を逆手にとって、マイナスをプラスに転じる考え方を探す癖をつけると強いと思います!
どうやるかというと、今回で言えば、
「赤いお花ばっかり来たな~。困るなー。」
と思ったら、まず何でもいいから赤から連想するといいんです。
イメージや特徴を言葉にして。
するとプラスに転じる策が見えてきます。
赤という色は、、、
暑苦しい
華やか
派手
くどい
赤は血みたい
情熱の色
愛の色
ハートの色
消防車の色
炎みたい、、、
などなど。な~んでもいいです。
すると、
↓↓↓
炎のような花形のグロリオーサだから、全体に燃え盛るような激しさを表現してみたら面白いかも!
ひたすら赤を強調してみよう!
とかいう、前向きな案が浮かぶこともあります。
それって、赤が多いから、抑えようとか、減らそうとか、目立たないようにしよう、というマイナス方向ではないですよね。
マイナス方向の生け方のクセがつくと作品が弱くなりもったいないので、
プラス方向で対処していきましょう。
すると作品のアピール力が上がります。
アピール力がある作品、強い作品というのは、大勢の作品が展示されている中にあったとしても、目をひくんですよね。
どうせならそういう作品を作りたいですよね!
マイナスより、プラス、という話でしたが、
華道、日本のいけばなは引き算の世界と言われたりしますね。
その話とは全く違う話です。
いけばなの場合は、かなり少ない花材でも
空間、緊張感、世界観、情緒、
などの部分でしびれるような厳しい勝負をしていますね。
いけばなをされている方、尊敬してます!
お読みいただきありがとうございました♪
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